忙中閑あり、みたいな気分にしてくれる素敵な歌をみつけました。
「言い出しかねて」1930年代の古いジャズ、「I Can't Get Started 」
村上春樹の「雑文集」という本に紹介されていました。春樹さんは、飛行機に乗ると反射的にこの歌を思い出すそうだ。
なんといっても歌詞が素敵。
「僕は飛行機で世界一周もした。
スペインの革命も調停した。
北極点だって踏破した。
でも君を前に、その一歩が踏み出せない。」
1930年代のことだから、世界一周やスペイン革命や北極点、想像するだけでも頭はあれやこれやと膨らんでいく。 若い世代にはちょっと無理かもしれないけれど、私たちの世代にとっては、じっと世界一周やスペインや北極に思いを馳せることができる。
そして歌詞の続き。
「1929年には僕は株を売り抜けた。
英国に行けば、王室に招待される。
でも君の前では僕の心はつらく切ない。
それというのも、君にどうしても切り出せないから。」
なかなか素敵ではないですか?
でも、永遠に一歩が踏み出せないままだと、話は進みませんね。
メロディーも、踏み出せたのかな〜、踏み出して欲しいな〜と、思わせぶりです。
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