マチネの終わりに~ガボットショーロ

芥川賞受賞作家、平野啓一郎の2016年の作品「マチネの終わりに」は、なんとクラシックギタリストが主役です。天才と称されていた男性ギタリストが40歳を迎えた頃に、自身の演奏家としての在り方に迷いや疑問を感じ始めた頃、ある女性と運命的な出会いをするのですが、気持ちとはうらはらに運命に翻弄されてしまいます。

この本は映画化されて11月に公開予定です。いったい誰が主役のギタリストをやるのか興味深いところですが、福山雅治に決定。相手の女性は石田ゆり子です。

PVを見ると、二人が再開するパリの映像がとても美しいです。

いち早く映画化の話を教えてくれたのは、福山くんの熱烈なファンのギターの生徒さんです。福山君以外でこの役に合う俳優さんて他にいるかな~とか、レッスンの合間にいろいろ談義したり、今は若い俳優さんで素敵な人はたくさんいるけど、40歳前後となると個性が強くなっていてなかなかむずかしいね~とか。

 

この本の中には、クラシックギターが好きな人しか知らないと思われる曲がたくさん出てきます。その中で、印象的な場面で弾かれるのがヴィラロボスの「ガボットショーロ」です。困難な状況にある友人に思わず弾き始めたことで、子供の頃にただただ楽しくてギターを弾いていたことを思い出し、そしてどんな時でも音楽は人を幸せな気持ちにするということを実感します。

前述の福山君熱烈ファンの生徒さんに、この曲をやってみたらと勧めました。もちろん喜んで練習を始めました。

淡々と穏やかに感じるリズムではありますが、その中にショーロの持つ悲し気なメロディーが流れ、ヴィラロボス特有の不協和音も織り交ぜられて、この曲が持つ世界にずっと浸っていたいような気持にもなります。

映画公開も楽しみです。