湯本香樹実

「夏の庭」は、ご存じの方が多いかもしれません。

湯本香樹美さんの処女作ですが、映画化や舞台化され世界10各国以上で刊行されました。
日本児童文学者協会新人賞他、国内外の文学賞をいくつか受賞しています。


もう20年近く前ごろ、いつどこだったか全く思い出せませんが、おそらく行きつけの本屋さんで、
あっと、手に取ったことは記憶しています。

時々、後から考えると自分がその本を必要としているときかなと思うのですが、たくさん並べられた本の中で、
ある一つの本に引き寄せられることがあります。

夏の庭は、それまで全く知らない本、作家でしたが、迷うことなく買って帰ったのです。


彼女の小説は、必ず主人公が子供であったり、子供の頃の思い出と現在がリンクしています。


そのあとに出た「ポプラの秋」も、すごく好きな本です。こちらの方が読み返す回数が多いほどです。


昨年、新しい短編集「夜の木の下で」の文庫本を見つけました。
最近はさらに内容が深くなってきたように思います。
彼女はもともと、たとえば風景でも心情でも、細やかな描写に文学の楽しさを感じさせてくれます。



でも彼女の本を本屋で見つけても、読もうと思わないときもあります。

最近どうしてだろうと考えてみたのですが、自分のことでも良くわからないことがたくさんありますが、
彼女に魅かれる時は、子供の頃の自分に帰りたかったのかな、という気もするし、疲れていたのか、逆に差し当たってな〜んにも考えることがなかったのか、結局のところよく分かりません。


またしばらくしたら、今夜は何を読もうかなと本棚を眺めて彼女の本を手に取ったり、新しい作品が読みたいと、仕事の帰りに本屋さんへまっすぐ向かうかもしれません。