原田マハ

絵画と本が好きな人にはぜひ読んで欲しいです。

美術のキュレーターの経歴もある彼女の、美術を題材にした小説は読み物としても面白く、
読み終えた瞬間、絵に対する溢れんばかりの愛情に、読み手も心から暖かい愛に満たされます。


私のある友人が、美術大学の通信課程の3年生に入学しました。
60歳を過ぎて仕事が少し楽になってきたので、昔から好きだった美術の勉強をしたいと決心したそうです。

話を聞くと、音楽で身を立てている私に影響されたと言うので、恥ずかしいらや、でも光栄なこと。
私のことを過大評価しているのでは?とも思いますが、応援したいと思います。


その友人が、大学から大量の参考書などが送られてきて膨大な勉強量に意欲が失せると聞いたので、
「楽しんで学べればいいのに〜」と思って送ったのがこの2冊。

「楽園のキャンバス」は画家ルソーにまつわる話ですが、小説としても本当に面白いです。
ルソーがどのような生活の中で絵を書いていったか、どんな愛や葛藤があったのか、
そんなことを知るのも興味わくわく、またルソーの絵を見てみたいと強く思います。


「ジヴェルニーの食卓」は、ご存じの方はモネのジヴェルニーの庭のことだとお分かりかと思います。
モネを始め、マティスピカソドガの人となりも垣間見ることができる、素敵な小説です。


史実に基づいて書かれた小説なので、勉強する人にもいいかなと思ったのです、
その友人は、小説からも美術が勉強できるのね〜と、とても喜んでくれ、少しやる気が出てきたようでした。頑張ってほしいです。いつかどこかの美術館のキュレーターになれる日を私も夢見ています。